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有給休暇や慶弔休暇など、休暇にもいろいろありますが、近ごろは「リフレッシュ休暇」というものを導入する企業も増えています。しかし、まだ導入されていない企業が大半ですし、導入しようとしている企業でも「どのように制度を組めばいいのか」わからないところがあるかもしれません。
この記事では、リフレッシュ休暇の基本から、会社の組織としてどのような体制を採ってリフレッシュ休暇を導入すればいいのかまで、解説します。
リフレッシュ休暇とは、厚生労働省の定義によれば「職業生涯の節目に勤労者の心身の疲労回復等を目的として付与される休暇」のことです。
つまり、勤続5年・10年・20年といった節目に特別な休暇をとる権利を従業員に与えることによって、文字通りの「リフレッシュ(気分転換)」を図ってもらうためのものなのです。このような特別な休暇をとることによって、将来の業務遂行に向けての英気を養ってもらう狙いがあります。
もちろん、有給休暇や夏季休暇(お盆休暇)、年末年始休暇とは別に、リフレッシュ休暇が与えられます。とはいえ、有給休暇などと異なり、法律的に義務づけられている休暇ではありません。各企業が任意に、リフレッシュ休暇の制度をつくるかどうか、あるいは勤続何年で付与するのか、何日ほどの休暇を付与するのかなどを、裁量的に決めることができるのです。
厚生労働省が統計を出している「就労条件総合調査」によれば、リフレッシュ休暇を導入している企業は、全体の10%程度ですが、従業員数1000人以上の企業に限れば、半数程度が導入しているとの統計もあります。従業員数が多いと、1人が休暇で抜けても、その抜けた穴をフォローして埋める体制を整えやすいからでしょう。
一方で、従業員99人以下の中小企業では、リフレッシュ休暇は数%となります。
業種別では、電気・ガス・水道などのインフラ系企業や、金融業・保険業において、リフレッシュ休暇制度の導入率が高くなっています。業績が比較的安定しており、長く勤め上げる従業員が多いことから、その勤続に見合うだけの報奨としてリフレッシュ休暇を与えていると考えられます。また、インフラ業や金融・保険業は、相対的に従業員数が多いため、その点でもリフレッシュ休暇導入率の引き上げにつながっていると考えられます。
一度の機会に与えられるリフレッシュ休暇の日数は、平均で6日前後とされています。別の機会に分割して休暇を取得することを認める企業もありますし、勤続年数が多いほど、多い日数のリフレッシュ休暇を付与するケースもあります。
その一方で、さらに余っている有給休暇を連結させて大型とすることで、長期の海外旅行へ出かけてみたり、リゾート地などでのんびりしたり、普段はできない取り組みなどにじっくり参加したり、ライフワークに時間をかけて本格的に携わってみたりする自己啓発的な使い方がされています。
消極的な解釈としては、「離職率を下げる」という狙いがあるかもしれません。ただ、「勤続○年のリフレッシュ休暇が欲しい」ことが目当てで、転職を諦める(労働条件や職場環境が劣悪なので我慢する、あるいは別企業からの好条件のオファーを蹴る)ことは考えにくいところです。
リフレッシュ休暇にそこまで強烈な「足止め効果」はないでしょうが、その職場に特に不満を持たない人が、目の前のことに一生懸命に取り組んでいることへの報奨や返報、慰労などとして、リフレッシュ休暇が用いられることは多いでしょう。
平日はほとんど自宅と職場の往復になっているような、働きづめの従業員が、健康を維持したり英気を養ったりする意味で、リフレッシュ休暇こそが、非日常に触れられる半ば強制的な息抜きとして機能する可能性はあります。休暇後には、またモチベーションを新たにして業務に邁進することができるでしょう。ひいては、会社の業績向上に繋がる可能性も期待できます。
ワーク・ライフ・バランス(仕事とプライベートの均衡)を図るためにも、リフレッシュ休暇が働き過ぎを防止し、従業員それぞれが自身の働き方を見直すきっかけにもなりえます。結果的にはリフレッシュ休暇の存在が、会社の離職率の低下にも貢献するはずです。
リフレッシュ休暇を取得する従業員がいると、他の従業員はその抜けた穴を一時的に穴埋めしなければならない自体に陥ります。だからといって、誰かが休暇を取るたびに他の従業員の残業が増えてしまい、長時間労働が常態化されてしまうと、将来的にリフレッシュ休暇を取得しづらい社風がじわじわと醸成されかねません。
よって、リフレッシュ休暇を取得しても、その部署の業務全体にバッファ(余裕)がある状態にして通常通りに業務を進められるようにするため、一人あたりの業務効率を上げる創意工夫が自ずと行われるようになり、ゆくゆくは業務改善に繋がって、会社の収益性の向上にも繋がっていくでしょう。
年次有給休暇は労働基準法で定められているため、たとえ就業規則に定められていなくても、法律上の条件を満たしている従業員について、会社は有給休暇の取得権を与える法的義務があります。
その一方で、リフレッシュ休暇は法律で定められていない特別休暇としての扱いであるため、よほど従業員にとって不利な条件が課されていたり、公序良俗に反していたりする事情がない限り、リフレッシュ休暇を採用するかいなか、採用するとしてその付与条件や内容などは、各企業が自由な裁量で決定することができます。
現状では、リフレッシュ休暇を採用する企業のうち、9割前後がリフレッシュ休暇を「有給」とする扱いですが、無給としても違法ではありません。ただし、就業規則や雇用契約書に明記しておくべきですし、念のために労使間での交渉も行っておき、労働者側の納得を得ておくことが得策です。
リフレッシュ休暇は、無条件・無理由で取得できる有給休暇と異なりますので、リフレッシュ休暇の取得理由を事前に聞いて、制度趣旨に合わないと判断した場合には、会社がリフレッシュ休暇の取得を拒否したり、他の時季に取得を変更するよう促したりしても、それだけで違法ではありません。
勤続年数ごとに付与するものであれば、どの年に、どの従業員がリフレッシュ休暇を与えられるかが事前に読み取れます。よって、リフレッシュ休暇が多くなる年や多くなる部署の偏りなどを把握し、前もって休暇の代替え要員などを指名するなど、準備を進めておくこともできます。事前に計画できることは計画しておいて、後で慌てないようにしておきましょう。
どうしても、代替え要員に負担がかかりそうであれば、該当する従業員にリフレッシュ休暇の取得時期を事前に申告してもらうなどして、リフレッシュ休暇の取得が分散するような工夫をすることも考えられます。
また、リフレッシュ休暇は、権利を付与された者が「他に迷惑を掛けたくない」と取得を遠慮したり、同じ部署の人々が「のんきに休暇を取られて、こっちはとばっちりを食っている」などの不満が充満したりすれば何にもなりません。経営陣や上層部が率先してリフレッシュ休暇を取得したり、積極的に代替え要員を支えたりすることで、リフレッシュ休暇を取りやすい雰囲気を醸成するように努めましょう。
リフレッシュ休暇は、労働法で定められた休暇ではありませんが、会社が任意に導入できる福利厚生の施策です。勤続年数ごとに取得を認めることで、ベテラン従業員の業務に対するモチベーションを上げることもできます。ただ、リフレッシュ休暇を取得しづらい雰囲気が社内に充満しないよう、全社を挙げたサポート体制を整備するようにしましょう。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、最新情報や具体的対応は公式情報や専門家にご確認ください。詳細はご利用規約をご覧ください。
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