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業務上のストレスや過労により従業員が死亡する「過労死」。過労死は事故と考えられていますが、これを防ぐために、企業はどのような対策を行うべきでしょうか。今回は、具体例を含めた、過労死を防ぐための対策について紹介します。
労働者が抱える過労死リスクの現状
「過労死の定義と認定ラインに関して」の記事でも紹介しましたが、厚生労働省によると過労死とは、「業務における過重な負荷による脳血管疾患・心臓疾患を原因とする死亡。業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡。」のことを言うとされています。
現在、労働者はどの程度、過労死が起きるリスクを抱えているのでしょうか。
過労死の原因となりやすい重要なファクターとしては、①長時間労働などの過重労働、②ストレスによるメンタルヘルスへの悪影響が挙げられます。
厚生労働省の発表によると、日本の労働者1人あたりの年間総実労働時間は緩やかに減少しており、平成29年は前年比3時間の減少を達成しました。これで、5年連続で減少していることになります。
一方、労働者の仕事や職業生活に関する強い不安、悩み、ストレスを感じている割合は、平成 28年に59.5%であり、依然として多くの人が仕事に対して強いストレスを抱えていることがわかります。
この結果から、長時間労働は減少傾向を見せているものの、ストレスによるメンタルヘルスへの問題は半数以上の労働者が抱えており、潜在的に過労死リスクを抱える労働者が多いといえるでしょう。
内容を見てみると、仕事に関して強い不安、悩み、ストレスを感じている労働者の理由は、「仕事の質・量」、「仕事の失敗、責任の発生等」、「対人関係(セクハラ・パワハラを含む。)」が多数を占めていました。
仕事内容・量によるものと対人関係により、強いストレスを抱えている人が多いことがわかります。
従業員の過労死を防ぐためには
労働者のストレス原因の多くが、「仕事の質・量」、「仕事の失敗、責任の発生等」、「対人関係(セクハラ・パワハラを含む。)」であることを考えると、過労死の発生を未然に防ぐためには、企業は下記のような項目への対策をする必要があると考えられます。
・長時間労働の削減
・過重労働による健康障害の防止
・働き方の見直し
・職場におけるメンタルヘルス対策の推進
・職場のハラスメントの予防・解決
・相談体制の整備等
具体的な取組としては、長時間労働を削減するため、週の労働時間が60時間以上にならないよう、労働者に指導することなどが挙げられます。時間外労働が増えないように、「終業時刻から何時間後までには退社する」ことを義務付けている会社もあります。
また、労働者の健康障害を防止するため、勤務間インターバル制度を導入するのも有効的です。勤務間インターバル制度とは、勤務時間内に一定時間休息する時間を設ける制度で、その時間を睡眠時間などにあてることで、健康的な職業生活を促すものです。
さらに、従業員が職場でハラスメントを受けた場合に相談できる、専門家を会社が用意しておくのもひとつです。取り返しのつかない事態になる前に、些細なことでも気軽に相談できる場所を設けておくことで、最悪の事態を回避することにつながるでしょう。
関連記事:職場環境の改善にもつながる、内部通報制度の有効な取り入れ方
合わせて、労働者へのメンタルヘルスケアがしっかり行えるように、年に1回ストレス検査を行うと良いでしょう。高ストレスと判断された場合は、医師による面接指導を行うよう指導します。
企業は会社の資本である従業員にしっかりと目を向け、必要な予防措置を複合的にとるようにしましょう。
過労死を防ぐ、各企業の好事例
過労死の労災認定基準は「脳・心臓疾患」と、「精神障害」とにわけられます。
どちらの労災認定基準でも重要な項目となるのが、「時間外労働が長時間であったか」という点です。ここでは、過労死につながる長時間労働への対策を行った企業の中で、参考になる事例をひとつ紹介します。
<伊藤忠商事株式会社>
夜型から朝型の勤務へとあらため、残業時間を削減することを目標とする。
【取組概要】
・20:00以降の勤務は原則禁止。
・早朝5:00~8:00に出勤した社員には、インセンティブとして深夜勤務と同等の割増賃金を支給する。
・8:00 前始業社員に対し、軽食を無料配布。
【成果】
・朝8:00前の入館者が全体の20%から34%に増え、夜20:00以降退館者が全体の30%から7%に減少した。
・平均の時間外勤務時間を、総合職で4時間/月、事務職で2時間/月 削減するの成功した。
伊藤忠商事株式会社は仕事の効率が上がりにくい残業を減らし、朝型勤務を推進することで、時間外労働を減らすことに成功しています。これは、過労死の防止につながる、有効的な取組を行ったといえるでしょう。
まとめ
今回は過労死の現状や、企業がとるべき対策を中心に説明しました。
上記のような企業の過労死防止策を参考にして、社員がイキイキと仕事が出来る会社づくりを行っていきましょう。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、最新情報や具体的対応は公式情報や専門家にご確認ください。詳細はご利用規約をご覧ください。
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