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平成29年12月の厚生労働省発表データによる「障害者雇用の現状」は、実雇用率1.97%、法定雇用率達成企業の割合は 50.0%です。中央省庁の障害者雇用水増し問題に比べると、民間の方が、はるかに熱心に障害者雇用に取り組んでいますが、障害者雇用で実績をあげている企業のケースをみていきましょう。
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カルビー・イートーク株式会社(滋賀県)
かっぱえびせんやポテトチップスで有名なカルビー株式会社の特例子会社「カルビー・イートーク株式会社」は、企業内起業制度で「おみやげのビジネスを障害者を雇って展開」という提案が認められ、平成19年に法人登記、平成22年に操業をスタートしました。
従業員28人のうち、身体障害者が2人(うち1人は視覚障害)、知的障害者16人の合計18人ですが、そのうち、障害者雇用促進法で重度障害者と判定される障害者が6人在籍しています。このメンバーで、カルビーのご当地商品の詰め合わせを主な業務としています。
準備期間中に、退職する障害者もいましたが、その原因が生活面の課題だったため、就労支援機関と繋がっている障害者を採用の条件としたことで、定着率は100%に近い状態のようです。
支援者からは「彼らが先生、彼らから習いなさい。教えようと思うからダメ、一緒に汗を流しなさい」とアドバイスがあり、現場では口頭だけではなく、一緒に仕事をやって覚えてもらうというスタンスをとっているようです。
また、スキルチェック表をつくり、能力に応じて配置するほか、社内行事も自立生活やコミュニケーションの「学びの場」として活用することで、可能性を信じ、チャレンジする場を提供しているそうです。
株式会社富士通ビー・エス・シー(東京都)
昭和38年設立のソフトウエア開発とソフトウエアサービスの全国展開している企業です。同社は、脳出血により両上下肢機能障害となったシステムエンジニアの職場復帰にあたり、医療・就労支援機関と連携しながら、作業環境を整備したことで平成22年度障害者雇用職場改善好事例の優秀賞を受賞しています。
具体的な改善内容としては、車イスでも動きやすいようにスロープや手すりの設置、手指の震えがあっても操作ができるようにトラックボール型マウスの導入、机の引き出しにリング状取手の取り付け、17インチモニターの設置などです。
人望の厚かったシステムエンジニアの職場復帰に、職場全体で取り組んだことが何よりですが、医療機関や障害者福祉センター、カウンセラーなどと連携をとりながら、作業環境の改善に取り組んだ成果といえるでしょう。全従業員1,999名のうち、8名の上肢障害者が働いているそうです。
大東コーポレートサービス株式会社(東京都)
平成29年度の障害者雇用職場改善好事例“優秀賞”に輝いたのは、大東建託の子会社として平成17年設立の大東コーポレートサービス株式会社です。
主な業務は、親会社をはじめ関連会社から受託した印刷、事務サービス、看板製作業務などで、設立当初から知的障害者の雇用を進めてきましたが、平成18年からは精神障害者の雇用に踏み切り、現在、従業員318人のうち64人の障害者を雇っています。
また、平成22年10月に浦安事業所を開設し、とくに聴覚障害者を多く雇用しています。職場に手話通訳者を配置し、事業所全体で手話によるコミュニケーションの充実をはかっています。
障害者の雇用形態は、正社員が63人で、週の労働時間が20時間未満の契約社員が1人。勤続年数が5年以上の正社員が41人ですから、定着率でも成果をあげています。
同社が手話によるコミュニケーション強化に着手したのは、手話通訳者が日常業務の全ての場面に立ち会うことができなかったため、業務上の指示が曖昧になり、ミスも多く発生していたからです。
そこで、業務に必要な用語を洗い出すと、32語中27語に手話表現がないことが判明しました。わかりやすいオリジナル手話をつくり、社内での手話表現の統一をはかったことで、コミュニケーションがとりやすくなり、ミスも半減することになったそうです。
障害者の雇用は特別なことではない
今回、取り上げたのはほんの一例です。障害者ではなく、「人財」という視点で、雇用する側の「人財」育成にも取り組んでいる株式会社日立製作所や、ステップアップで着実に“戦力”になるという視点で採用している三菱商事太陽株式会社、「1人でも多くの障害者雇用を創出し、社会に貢献する」を企業理念に掲げる株式会社エスプールプラスなど、多くの企業が障害者の雇用に積極的に取り組んでいます。
いまや、障害者の雇用は特別なことではありません。こうした企業の工夫や事例をヒントに、社会的な問題解決の一歩を踏み出すことが、これからの経営陣にはより一層、求められることになるのではないでしょうか。
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