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帝国データバンクによる調査結果(首都圏・本社移転動向調査(2022年1~6月速報))によると、2022年は本社を首都圏から移転する企業が増加し、首都圏に転入する企業の数を上回る「転出超過」の傾向にあるということです。この状況は前年から続いており、さらに加速化する可能性もあります。
新型コロナウィルス問題により、働き方に変化が生じたことが一つの要因として考えられますが、現在の企業経営で何が起こっているのでしょうか。この記事では企業移転の現状と、その背景について解説します。
今回の調査では2022年前半1~6月間での、首都圏から地方に本社を移転した企業と、反対に地方から首都圏に本社を移転した企業との、それぞれの数と詳細な分析データが公表されました。
首都圏から転出した企業は合計で168社となり、2年連続で150社を超えていて、転入した企業が124社であったため、44社という大幅な転出超過となりました。このペースが続いた場合、転出総数は2年連続で300社を超え、転出超過も70社を上回る可能性があります。
この現状は1990年代のバブル崩壊後や、2008年のリーマンショックの時期に匹敵するもので、転出超過が92社を数えた2001年以来20年ぶりの高水準です。
企業の首都圏離れは、不況の時期に重なる傾向があります。これは経営立て直しのため、オフィス賃料が安い地方に移転することにより、経営コストを圧縮する狙いがあると考えられます。
しかし、現在進んでいる首都圏からの転出には、新型コロナウィルス問題により見えてきた新しい働き方が、密接に関わっていると言えるでしょう。
新型コロナ騒動の前には、オンラインでできる業務は限られていると考えられていました。しかし、いざリモートワークを始めてみると、予想外に実用的であることがわかり、多くの企業で働き方が変化したのは周知のとおりです。
その結果、本社の存在意義を問い直す動きが広がりつつあり、地方への移転やオフィス分散化が進んでいるのでしょう。では企業の脱首都圏を目指す流れは、このまま定着するのでしょうか。
企業が本社を移転する場合、現状では同じ首都圏内よりも地方を選ぶ方が、メリットが大きいと考えられます。地方への移転で考えられる主なメリットを挙げてみましょう。
・職場環境の改善が図れる
・経営コストの削減が可能
・物流効率のアップ
・行政によるサポート体制が充実する
首都圏に本社がある場合、オフィスの賃料や管理費などのコストは、ほかのどの地域よりも大幅にアップします。景気がよければまだしも、不景気になると確実に経営を圧迫するでしょう。地方に移転をすると、こうした毎月の固定費を節減してコストカットが可能です。
さらに、地方では首都圏のようにオフィスが密集していないので、労働環境や職場環境の改善を図ることができます。業種によっては、物流もスムーズになるかもしれません。
もう一つ重要なポイントとして、地方によっては企業誘致のために、行政によるサポートや優遇制度を設けている点も見逃せません。
一方でデメリットとして考えられるのは、本社移転に伴う従業員の移住に関わる負担です。また移転先での人材採用についても、首都圏とは異なる方法を検討しなければならないでしょう。
首都圏から本社を移転する選択肢の一つとして、オフィスの分散化も注目されています。この方法は自由度が高く、テレワークの広がりとも相性がよいというメリットがあります。
通常は本社以外にもいくつかの地域に拠点を設け、場合によっては拠点以外にも従業員のニーズに合わせて、複数のオフィスを設置することがあります。業務ごとにオフィスを分割して、地域ごとの特性を活かした分散化システムを構築することも可能です。
こうしたオフィス分散化の動きは、これまでのような首都圏集中型オフィスの弊害に対する反省から生まれました。働き方が多様化する中で、巨大な本社に毎日従業員が集まり、業務も一極に集中するという仕組みでは、これからのビジネスには対応できないという危機感もあるでしょう。
オフィスを分散化すると、近隣に住む従業員が小さなスペースの職場に、必要な時だけ出社するという働き方が可能になります。また、何らかのトラブルが発生した場合でも、複数のオフィスがあるためリスクを分散できます。
今後本社の移転を考える場合、企業にとってはメインの選択肢になるかもしれません。
首都圏に集中している企業の全体数から見れば、わずか数十社程度の転出超過は小さな数字に思えるかもしれません。しかし企業にとって本社の位置付けが変化すると、地方への移転が今後ますます加速する可能性があります。
それに加えてリモートワークを導入する動きが継続すれば、オフィスが果たす役割が大幅に縮小することも考えられます。いずれにしても、新型コロナウィルス問題を契機に、社会の仕組みと働き方が大きく変わろうとしています。企業が首都圏から地方に移転する動きは、一過性のものではなく、これからも長期的に続くのではないでしょうか。

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、最新情報や具体的対応は公式情報や専門家にご確認ください。詳細はご利用規約をご覧ください。
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