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毎年10月前後に話題となる最低賃金の引き上げについて、新聞やテレビ、インターネットなどのメディアから具体的な引き上げ額や街の声などを知ることはできますが、より詳しい情報やデータを知りたい場合に役立つのが実態調査です。
そして、その実態調査の結果に変化が起き始めています。いったいどのような変化が起きているのか、詳しく紹介します。
政府や民間の企業によって、最低賃金の引き上げに関する実態調査が行われていますが、労働者の声とは反対に、最低賃金引き上げに反対する企業(=雇用主)の割合が多いのが一般的でした。
しかし、昨今の物価高騰により、最低賃金の引き上げを企業側が求めるようになっており、調査結果に変化が起きています。
社会問題ともなっている物価の高騰は、明らかに労働者の生活を圧迫しており、これまで最低賃金の引き上げに消極的だった企業側ですら、その必要性を感じていることが背景にあると思われます。
労働者からすれば、最低賃金の引き上げは歓迎すべきことでしょう。しかし、物価高騰の影響を受けているのは労働者だけではありません。原材料費などの価格高騰により、企業の経営も圧迫されています。
その上で最低賃金が引き上げられた場合、人件費の増加による企業経営へのさらなる影響は避けられません。また、最低賃金を上げるために、サービス価格の見直しや値上げの検討、非正規雇用者の残業時間やシフトの削減、正規雇用者の残業時間の削減、採用や設備投資の抑制など、何かしらの対策を立てなければなりません。その結果として、最低賃金の引き上げが労働者の収入に影響を及ぼす恐れもあるのです。
2022年10月1日から全国都道府県の最低賃金が引き上げられました。最低賃金の引き上げは毎年実施されるものですが、今年は引き上げ額が過去最大となっているため、特に話題となっています。
都道府県ごとに最低賃金が30~33円引き上げられており、全国平均に換算すると引き上げ額は31円となります。
全国で最低賃金が高いのは、東京都の1,072円、次いで神奈川県の1,071円、最も低いのは青森県・秋田県・愛媛県など10県の853円、全国平均で961円となります。
なお、日本における最低賃金制度では、最低賃金の全国加重平均で1,000円になることを目指しています。ただし、今回の引き上げによって、最低賃金が新たに1,000円台に突入した大阪府と東京都、神奈川県の3都府県しか1,000円以上とはなっておらず、政府の目標が達成されるのはまだまだ先のようです。
●今回の最低賃金引き上げが及ぼす影響
先述のとおり、2022年10月に最低賃金の引き上げ額は過去最大の全国平均31円となりました。
時給が31円アップするといわれてもピンとこないかもしれませんが、実際には労働者の収入、すなわち企業の人件費に大きく影響します。
8時間のフルタイム勤務で勤務日数が月間20日だと仮定した場合、労働者側からみて月収は約5,000円、年収は約60,000円増えることになり、同じ条件で働く労働者の数だけ、企業の人件費は増加することになります。
しかし、今後も現状の物価が継続、もしくはさらなる物価上昇を考えると、労働者の生活は依然として厳しいものになると考えられます。
また、当然ながら、勤務形態や勤務日数などによって増加する人件費の金額は異なるほか、すでに最低賃金以上の賃金契約となっている場合は賃金額の変更が不要であるため、一概にすべての企業の人件費が急増するわけではありません。
しかし、厚生労働省による最低賃金に関する調査によると、日本においては事業所規模30人未満の影響率(最低賃金額を改定したのちに改定後の最低賃金額を下回る労働者の割合)が高いことが分かっており、多くの中小企業の経営に影響を及ぼすと予想されています。
出典:厚生労働省「最低賃金に関する報告書(概要版)」
●今後の政府の対応は?
今回の最低賃金の引き上げに対しては、歓迎する声がある一方で、労働者側にも企業側にも懸念があるようです。
政府は経済対策による生活者への支援強化に加え、最低賃金の引き上げを実施する企業に対する助成金制度の拡充、価格転嫁対策を進めるとしています。どのタイミングで、どのような経済対策が講じられるのか、引き続きチェックする必要があるでしょう。
海外はもちろん、日本においても経済や市場の状況に大きな変化が訪れています。それは、最低賃金の実態調査をみても明らかです。海外情勢や物価高騰の先行きはまだまだ不透明ですが、最低賃金の引き上げに関する実態調査を含め、今後の動向に注目が集まっています。

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、最新情報や具体的対応は公式情報や専門家にご確認ください。詳細はご利用規約をご覧ください。
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