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産業構造の急激な変化に伴い、企業を取り巻く環境も大きく変わりつつあります。
こうした事業環境の変化に対応するだけでなく、持続的に企業価値を高めていくことが求められています。
そこで注目されているのが「人的資本経営」ですが、どのような経営なのかをコンパクトにまとめてみました。
「人材を“資本”として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方」というのが、経済産業省による「人的資本経営」の定義です。
経産省の定義にかかわらず、人材を重視する姿勢は、多くの企業がこれまでも示してきたことです。それは、企業にとっての人材は“最大の資本”であり、“成長の原動力”でもあるため、雇用の維持や福利厚生面の充実などにも、積極的に取り組んできたわけです。
しかし、これからの時代に求められているのは、待遇面を優遇するだけではなく、積極的な投資を戦略的に人材開発に行い、一人ひとりの能力を最大限に引き出す取り組みです。それが従業員を経営のステークホルダーとして重視する、新たな人材マネジメント「人的資本経営」になります。
「人的資本経営」には、投資家も注目を寄せています。その背景には、SDGs(持続可能な開発目標)や、ESG(環境・社会・企業統治)を重視する世界的な潮流があるのです。
ESG投資が広がるなか、企業の人材に対する取り組み姿勢を企業価値評価に反映すべきという声が上がっています。しかし、人的資本は財務諸表には記載されない、無形固定資産として位置づけられる経営資源です。
そのため、米証券取引委員会(SEC)は2020年に「人的資本」の情報開示の義務付けを発表しました。
日本でも2021年、東証のコーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)の改訂で、人的資本の情報開示を強化する方針が盛り込まれるなど、人的資本について情報開示をする動きが加速しています。
では、無形固定資産である人的資本について、どのような基準で評価されているのでしょうか。人的資本を定量化・分析する指標とされているのが国際標準化機構(ISO)のガイドライン「ISO30414」です。
ガイドラインには、コンプライアンスと倫理・コスト・ダイバーシティ・リーダーシップ・組織文化・組織の健康、安全、福祉・生産性・採用、異動、離職・スキルと能力・後継者育成・労働力確保の11の項目と58の指標が挙げられています。
人的資本の重要性の高まりとともに、積極的に情報開示に取り組む上場企業もありますが、なかには、「ESG投資を呼び込むため」という理由もあるようです。
人的資本経営は、これからますます重要性を帯びてくるのではないでしょうか。
人的資本経営を実践していくうえで、より重要性が高まっているのが人事部門の役割です。これまでは労務管理、採用、育成、人事制度の構築などの管理業務が中心的な役割で、その領域でのキャリアを積んだエキスパートが、人事部門のトップに抜擢されていました。
しかし、人的資本経営を実現するためには、人事領域のキャリアよりも、むしろビジネスや経営感覚の方が重要です。
そのため、人事を経営戦略・事業戦略と直結させる企業や、社長直轄の部署として刷新するなど、「戦略人事」へ転換する動きが加速しています。
従業員の成長がなければ、企業が成長を続けていくこともできません。つまり、戦略的に人材開発への投資を行い、従業員のモチベーションアップにつながる人事評価制度や職場環境を整え、一人ひとりの能力を引き出す取り組みこそが、人事部門の役割であり、人的資本経営を実践していくために必要なことと言えるのではないでしょうか。
人材を企業にとっての最大の資本と捉え、すべての人材を活かすこと、それこそが“人的資本経営”です。その実現のカギを握ることになるのが、管理業務中心の陣部門から“戦略人事の転換”であり、人事の役割がますます重要性を帯びてくることになりそうです。

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