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消費税の課税事業者と免税事業者との不公平感を解消するために導入されるインボイス制度ですが、2月3日、日本出版協議会は「出版社とクリエイターの関係を悪化させる」とインボイス制度に反対する声明を発表しました。
インボイス制度については、各方面から問題点が指摘されています。どのような課題があるのかを整理しておきましょう。
目次【本記事の内容】
日本出版協議会がインボイス制度導入に反対している理由は、出版の現場を支えているフリーランスのライターや編集者、デザイナー、カメラマンなど、その多くが年収1,000万円以下の免税事業者だからです。
インボイス制度が導入されると、出版社側が消費税納付の控除を受けるため、適格請求書を発行してもらわなければなりません。適格請求書は「適格請求書発行事業者」に登録している課税事業者でなければ発行できないため、年収1,000万円以下のフリーランスにも「適格請求書発行事業者」へ登録してもらう必要があります。
免税事業者のままでは控除を受けられないので、出版社側はその分を負担することになります。それでは「出版ビジネスが成り立たなくなる」というのが、日本出版協議会のインボイス制度導入反対の主張です。
しかし、この問題は出版業界だけのものではありません。日本の産業は、中小企業や個人事業主などの小規模事業者が大手企業の下請けとして支えているのが実情です。
そのすべてが免税事業者というわけではありませんが、免税事業者であることを理由に、取引ができなくなる可能性が高くなることも予想されます。
課税事業者が消費税納付の負担を少なくするためには、取引先から適格請求書を発行してもらう必要があります。適格請求書がなければ控除を受けることができないため、消費税納付で不利益になることは避けるでしょう。
つまり、取引を続けていくためには、本来は免税事業者であるにもかかわらず、課税事業者になる必要があります。しかし、それによる消費税納付の負担が、小規模事業者の経営を圧迫するというリスクもあるのではないでしょうか。
ここまで、免税事業者に降りかかる問題を取り上げてきましたが、課税事業者にもインボイス制度導入によるシステム変更などの新たなコスト負担が生じます。
これまで仕入税額控除が適用になるかどうかの判断は、消費税課税対象の仕入れであることで判断できましたが、インボイス制度導入後は、インボイスが発行された取引でなければ仕入税額控除の適用とはなりません。
つまり、仕入税額控除可否判定のための帳簿記載事項の見直しをはじめ、販売管理システムや在庫管理システムを改修しなければならない場合もあります。システム改修となればコストもかかりますし、実務にかかわるスタッフの研修なども必要となるでしょう。
免税事業者であれ、課税事業者であれ、インボイス制度導入によって、新たな負担が事業者にかかってくることは、どうやら覚悟しておかなければならないようです。
ここで懸念されるのが、その負担を立場の弱い下請け業者に押し付けてくるケースです。免税事業者のまま取引を続行しようとすれば、報酬から消費税分を値引きされる可能性もないとはいえません。
あからさまな消費税増税分の値引き要求なら、消費税転嫁対策特別措置法違反に該当することもありますが、インボイス制度は増税に関する制度ではないので、違反に問われる可能性は低くなります。
多くの課題を抱えながら来年の10月1日にスタートする予定のインボイス制度ですが、日本出版協議会に続く導入反対の動きが、これから広がることも考えられます。
「誰が、いつ、何を、合計いくらで販売し、そのうち税率は何%だったのか」を証明するためのインボイス制度ですが、見切り発車という指摘も数多くあります。この制度が導入されることで、一体、どこが得をするのでしょうか。
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