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台風や大雨、積雪の際、気象庁から「特別警報」や「警報」「注意報」が発令されます。これらは防災気象情報と呼ばれており、災害発生の危険度と、とるべき避難行動を住民が直感的に理解するための情報として活用されています。
しかし、この度、防災気象情報が気象庁と国土交通省水管理・国土保全局によって、抜本的に見直されることになりました。名称が変更になる、もしくはなくなる可能性もあります。
ここでは、今回の見直しに関する詳細をお伝えします。さらに、企業の防災担当者に対して、防災気象情報の活かし方や変更後に対応すべきことをテーマに解説します。
2022年1月17月、気象庁と国土交通省水管理・国土保全局は、「防災気象情報に関する検討会」の開始について発表しました。
第1回標記検討会が1月24日に開催され、「防災気象情報の伝え方の改善に関する取組状況」、そして「防災気象情報に関するこれまでの経緯と課題」をテーマに、専門家や報道関係者らによって議論が交わされました。
この検討会に関するテーマは、以下の通りです。
「防災気象情報を、住民の主体的な避難等に役立つ、わかりやすく受け手側の立場に立ったものに再構築するため、防災気象情報全体の体系整理や個々の防災気象情報の名称・基準等の抜本的な見直しを検討します。」
防災気象情報とは、気象・地震・火山など自然災害が発生した際、気象庁が発表している予報・情報のことです。のちほど詳しい内容を説明します。
検討会では、防災気象情報について国民全員が理解できるよう、よりわかりやすく整理することを目的に、「特別警報」「警報」「注意報」の名称を今後2年間かけて議論する予定です。
現在、「大雨特別警報」「暴風特別警報」はじめ多数の防災気象情報を発表しています。具体的には、以下の通りです。
大雨(土砂災害、浸水害)、暴風、暴風雪、大雪、波浪、高潮
<7種類の警報>
大雨(土砂災害、浸水害)、洪水、暴風、暴風雪、大雪、波浪、高潮
<16種類の注意報>
大雨、洪水、強風、風雪、大雪、波浪、高潮、雷、融雪、濃霧、乾燥、なだれ、低温、霜、着氷、着雪
<4種類の早期注意情報>
大雨、暴風(暴風雪)、大雪、波浪
これらの名称に関して、種類が多くてわかりづらい、という住民からの指摘が集まっています。
たとえば、「大雨警報と大雨特別警報の違いは何か」「大雨警報には大雨特別警報があるけれども、洪水警報には洪水特別警報がなく、河川の防災情報がわかりにくい」といった意見です。
また、緊急安全確保や避難指示など住民がとるべき行動が直感的にわかるように、5段階の警戒レベルで設定されています。
<警戒レベル5相当>
・大雨特別警報
・氾濫発生情報
*とるべき行動:命の危険が迫っているため直ちに身の安全を確保
<警戒レベル4相当>
・土砂災害警戒情報
・危険度分布「非常に危険」(うす紫)
・氾濫危険情報
・高潮特別警報
・高潮警報
*とるべき行動:危険な場所からの避難
<警戒レベル3相当>
・大雨警報(土砂災害)
・洪水警報危険度分布「警戒」(赤)
・氾濫警戒情報
・高潮注意報
*とるべき行動:高齢者等は危険な場所からの避難が必要
<警戒レベル2相当>
・危険度分布「注意」(黄)
・氾濫注意情報
*とるべき行動:避難行動の確認が必要
<警戒レベル2>
・大雨注意報
・洪水注意報高潮注意報
*とるべき行動:避難行動の確認が必要
<警戒レベル1相当>
・早期注意情報(警報級の可能性)
*とるべき行動:災害への心構えを高める必要
これらのレベル分けに関するわかりづらさもあります。「高潮特別警報と高潮警報どちらも警戒レベル4で、非難すべきタイミングがつかめない」「氾濫危険情報と氾濫警戒情報で、どちらが一刻を争う事態なのか、とっさに判断できない」という問題です。
さらに、警報レベル3の大雨警報に基づいて、高齢者の避難を発表すると、自治体によっては発表頻度が多発してしまう事態も起きています。
こういった課題を解決するために、名称や発表基準など情報体系に関する抜本的な見直しを行うことになりました。「特別警報」や「警報」、「注意報」という名称自体が、変更になる、もしくはなくなる可能性もあります。
自然災害時において、住民は自分で自分の命を守る意識をもって、自分の判断で避難行動をとることが重視されています。そのために防災気象情報は欠かせない情報です。
では、企業における防災の観点において、防災気象情報をどう活かすべきでしょうか。企業には労働契約法第5条において、以下のような安全配慮義務があります。
「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。」
この考え方に基づいて、企業は行動しなければなりません。防災気象情報は、自然災害発生時の出社・退勤を判断する際のルール策定に役立たせることができます。
警戒レベルに応じて、どの段階で休業や自宅待機・勤務にするのか、などを決定します。帰宅困難者が出た場合には終業後にどのような対策を講じるのか、警戒レベルのとるべき行動に準じて検討しておきましょう。
近年、テレワークが普及しているため、テレワーク下で防災気象情報が発表された時の勤務についても考えておくべきです。どの部署やチームを稼働させるのか、事前に準備しておくことで、突然の事態が起きても通常の稼働ができます。
今後、防災気象情報が変更された際は、その内容に合わせてルールを変更する必要があります。既存の内容よりも、理解しやすくなる予定なので、企業の防災担当者は迅速に対応でき、さらにルール策定もしやすくなるのではないでしょうか。
企業の防災において、安全配慮義務についてお伝えしましたが、従業員の生命の確保だけではなく、二次災害の防止や事業継続にも努めなければなりません。とくに重要な事業活動の早期復旧・維持をするために、事業継続計画(BCP)を策定しておくことは必須です。
今後も、防災気象情報をはじめ、企業防災に関する情報を、細心の注意を払って入手していきましょう。対策や情報収集などを万全にしておくことで、自然災害時にもスムーズにルールを実行できます。

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、最新情報や具体的対応は公式情報や専門家にご確認ください。詳細はご利用規約をご覧ください。
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