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度重なる個人情報の流出、日本独自のIT規制案の概要を検証

公開日2022/01/30 更新日2022/01/31 ブックマーク数
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EC(電子商取引)サイト、SNSサイトなど、不特定多数の個人情報を運営・管理する企業に対しては、以前から情報漏洩を危惧する声と、規制を強化すべきという意見がありました。
また海外では、巨大IT企業をターゲットに厳しい規制を設ける動きもみえます。

こうした中、大手インターネットサービス企業に関わる情報トラブルを契機に、日本政府もIT企業の規制強化に乗り出しそうな状況です。今回の記事では、徐々に見えてきた国内のIT規制案について解説します。

LINEをめぐる問題

2021年3月に、通信アプリ大手LINEの個人情報取り扱いに問題があったことが明らかになりました。ニュースで報じられた内容では、中国と韓国への情報漏洩が確認されたとのことでした。

実際には、国内のサーバーに保存されているLINEの利用者情報に、中国の業務委託先からアクセス可能だったことと、韓国のデータセンターでも利用者情報を管理していたことなどが確認されました。

この問題を重くみた日本政府によって、LINEを利用する行政サービスや防災公式アカウントなどが順次停止され、IT企業に対して規制強化を求める声がさらに高まりました。

個人情報の取り扱いに関わるリスク

インターネット上で個人情報を扱う場合には、「個人情報保護法」の規定にもとづき、情報が外部に流出しないための適切な対策を講じなければなりません。当然、本人の同意を得ずに個人情報を扱うことはできません。

しかし個人情報流出の事例は後を絶たず、大量の個人情報が金銭目的で売買されたり、その情報を悪用したりする犯罪行為を完全に取り締まることはできていません。依然として、個人情報の取り扱いは常にリスクをともなっているのです。

欧米各国に広がる巨大IT規制法案

IT企業の活動に関しては、個人情報関連の問題以外にも、アメリカが拠点である四つの巨大IT企業「GAFA」をめぐる現状について、本国のアメリカ国内とヨーロッパでも規制の議論が活発化しています。あまりにも巨大化しすぎた企業に対する、各国の危機感の表れだといえるでしょう。

GAFAの活動で主に問題になっているのは、独占禁止法に抵触するシステムの構築や、ECサイト出店者に対する圧力、競争を阻害しかねない他企業の買収などです。このような活動により肥大するGAFAについて、アメリカ政府は最終的に分割や解体まで視野に入れているようです。

一方ヨーロッパ各国でも規制の動きが強まっており、EU競争法(独占禁止法)により、GAFAに巨額の制裁金を科してきました。今後はさらに罰則を強化する方針であり、ヨーロッパでもアメリカでも、すでに巨大IT規制法案が議会に提出され審議されています。

日本国内のIT規制案が判明

巨大IT企業を規制する世界の流れの中で、LINEの問題が表面化したことから、日本国内でも規制に関連する議論が高まり、総務省が規制強化の方針を打ち出したことが明らかになりました。

国内の規制強化策については、すでに総務省を中心にIT規制案が検討されてきましたが、経済界からの反発もあり、調整が進められてきました。
しかし今回、「電気通信事業法改正案」として、IT企業などの規制を強化する法案が近く提出されることが判明したのです。

その主な改正点は以下のとおりです。

・サイト運営者、アプリ提供者に対して、インターネットの閲覧履歴を第三者に提供する場合、閲覧者の同意を得ることを義務づける

・利用者一千万人以上の国内外企業に対して、情報取り扱い方針の公表、情報統括責任者の選任を義務づける

・個人情報を保管するサーバーの設置国などの規定は検討を続ける

今回のIT規制案では、小規模事業者の経営を圧迫するような細かい規制は盛り込まれませんでした。また、内容についても欧米ほどの厳しさはありません。しかし可決されれば、個人情報の保護に関しては一歩前進するかもしれません。

IT業界の規制強化はどこまで?

GAFAの本拠地であるアメリカでは、GAFAそれぞれのCEO(最高経営責任者)を議会に召喚するなどして、継続的な圧力をかけています。さらに長期的な調査にもとづいた上で、GAFAを分割するべきだという報告書も議会に提出されました。当然のことながら、GAFAはそれぞれに反対意見を表明しています。

すぐにGAFAの分割や解体が行われることはないにしても、今後巨大IT企業に対する規制強化は、欧米を中心にますます高まることが予想されます。日本政府もその動きに遅れる形で、やはり同じ方針を打ち出すのではないでしょうか。

まとめ

インターネット社会では、いかにハイレベルなセキュリティ対策をとろうとも、何らかのトラブルや犯罪により、個人情報が流出するという事例が絶えません。それを防ぐためには、インターネットの仕組み全体で、情報の取り扱いを規制する必要があるでしょう。

また一方で、巨大化するIT企業の存在も、各国政府が頭を悩ます問題です。社会構造が大きく変化する中で、インターネットを中心にした社会そのものを見直して、新しい安全な仕組みに作り直す時期が来ているのかもしれません。

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、最新情報や具体的対応は公式情報や専門家にご確認ください。詳細はご利用規約をご覧ください。

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