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バックオフィス業務を担う職種である「人事」と「労務」、「何が違うのか考えてみるとよく分からない」という人も多いでしょう。
人事と労務は総務が担うこともありますし、「人事労務」と一括りになっていることもあります。人事と労務は何が違うのでしょうか?また、それぞれの役割はどのようなものなのでしょう?
人事と労務は、どちらも社員に関わる業務を行うことは共通しています。しかし実は、人事と労務にははっきりとした違いもあります。
人事は、「対組織」の業務を行います。人事戦略、研修、組織制度の策定など、社員を組織的にどう生かすかを企画・立案・実行するのが人事です。それに対して、労務は「対個人」の業務です。具体的には、勤怠管理、給与計算、入退職管理など、社員が安全に、安心して、モチベーションを高く保ちながら働くための環境を整備します。
ただし実際の業務においては、人事と労務を切り離して考えることはあまりありません。人事と労務はたがいに補い合う業務だからです。たとえば「採用」なら、採用戦略、組織成長戦略、キャリア制度の準備など人事に関する業務と、職務、配属、給与など労務に関する業務とが、密接に関わり合いながら進められます。
それではまず、人事の役割と具体的な業務内容について見ていきましょう。
企業が保有する経営資源は、「ヒト・モノ・カネ・情報」の4つに分類されると言われます。人事はこのうちヒトを、経営資源として最大限有効に活用するための機能を担います。
人材を有効活用することは、現場組織の管理職スタッフにもそれぞれに責任が与えられます。しかし、組織全体としての「人材管理」を考えた場合には、ヒトに関する社内の情報を集約させたほうが効率的であることから、多くの企業で人事は独立した部門として設けられます。
人事の具体的な業務内容は以下の通りです。
人事の業務として筆頭に上げられるのは採用活動です。会社の事業計画に基づいて、いつ、どのような人を、何人採用するのかについて計画し、実行に移します。
採用活動は、どのような人材が社内で求められているのかを把握するところから始まります。募集する人材像を明確にしたうえで求人を手配し、会社説明会、採用試験、面接、入社手続きなどを実施します。
採用活動の実務については現場の各部門と分担しますが、全体のコントロールは人事部門が行うことが多いでしょう。
社員の仕事ぶりを直接的に評価するのは上司です。しかし、その際の評価基準は人事部門が策定することが一般的です。これは、公平を保って社員の納得を得るのとともに、人事戦略を全社として実現するためでもあります。
行われた評価をもとに、昇給、昇進、昇格、人事異動などの処遇を行うことも人事部門の役割です。人事異動については、本人の希望を把握したうえで各部門の管理職と調整を行い、最終的に役員会で決定することが一般的です。ただし、経営者の判断や部署の事情などにより、人事部が処遇に介入しないケースもあります。
経営資源としてのヒトを最大限に生かすために、社員研修などを行うことによって人材を育成することも人事部門の役割です。社員研修には、全社的に行われるものとOJTとして部署ごとに行われるものとがあります。
全社的な社員研修は人事が直接担当しますが、部署ごとのOJTを直接担当するのは部署の先輩や上司となります。ただしOJTも、目標設定や指導方法など研修の内容およびその成果については、人事部門が統括管理を行うことが一般的です。
全社的な研修には、
など、さまざまなものがあります。
社員の処遇を決定する根拠となる評価基準や報酬基準の企画と立案をすることも人事部門の役割です。基準の策定は、経営方針や事業計画に沿って行われます。人事制度に不備があると、社員のモチベーションが低下したり、離職率が高まったりなどが起こることもあります。
次に、労務の役割と具体的な業務内容を見ていきましょう。
労務とは、労働に関する事務処理です。「経営資源としてのヒト」を有効に生かすためには、社員が安全に、安心して働き、モチベーションを高く保たなければなりません。労務部門は、そのために必要な就労環境を整備するためのマネジメントを行います。
国が進める「働き方改革」により働き方が多様化する一方で、残業代未払いや長時間労働に対する対策なども講じなければなりません。有期雇用者の無期転換申し入れ、障害者雇用への対応など、労働契約法の改正にあわせた対応も必要です。労務部門は、これらの実務を行います。
労務の具体的な業務内容は以下の通りです。
1.労働契約と労働条件の通知
社員を採用するにあたり、労働基準法で定められている内容に沿った労働契約を社員と交わし、労働条件を通知します。パートやアルバイトに関しても、所定の労働条件通知を書面で行わなくてはなりません。
2.行政手続き
入社や退職、異動にともなう社会保険や雇用保険の手続きを行います。
3.就業規則などの整備
従業員10名以上の事業所においては、就業規則の作成・届け出が義務付けられています。就業規則の作成・届け出、および従業員に対する周知は労務部門の役割です。
4.給与計算
社員の給与計算を行います。年末調整も労務の大きな業務です。給与計算を行う際には社員や扶養親族のさまざまな情報を取り扱うことになりますので、個人情報の適正な管理と情報漏えいの防止も労務部門の重要な業務となります。
5.勤怠管理
勤怠管理を行います。勤怠管理は、
のいずれかの方法で行うことが厚生労働省の基準によって定められています。
6.法定三帳簿を整備する
労働者を雇用したすべての事業所で整備すべきと労働基準法に定められた「労働者名簿」「賃金台帳」「出勤簿」を整備します。
7.諸手続き
社員の引っ越しや結婚、産休・育休、介護休業などの手続きを行います。
8.健康診断などを行う
労働安全衛生法で義務付けられている社員の健康診断を実施します。また、社員の数に応じて衛生推進者や産業医を選任します。
9.メンタルヘルスケアとストレスチェック
国が定めた指針にしたがい、教育研修や職場環境改善などにメンタルヘルスケアを行います。また、社員数50名以上の企業に対して義務付けられている、医師によるストレスチェックを行います。
10.ハラスメント防止対策
労働契約法によって義務付けられているハラスメント防止対策を実施します。
人事と労務は、経営資源としてのヒトを有効活用するために重要な部門です。人事は主に対組織の業務を、労務は主に対個人の業務を行いますが、たがいに密接に関係し、切り離すことはできません。
人事と労務の役割をあらためて明確に理解することで、会社への関わり方もまた違ったものになるのではないでしょうか。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、最新情報や具体的対応は公式情報や専門家にご確認ください。詳細はご利用規約をご覧ください。
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