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新型コロナウイルス感染症の影響は、生命保険会社の業績にも波及しています。読売新聞によれば、感染拡大に伴う保険金や給付金の支払件数が、2021年9月には10万件を超えました。
2021年10月末時点での新規陽性者数は収束の様相を呈していますが、冬の始まりとともにどうなるのか予測が難しいため、今なお予断を許しません。
今回は、コロナによる生命保険会社への影響をはじめ、コロナ禍の各社の業績報告について紹介します。
目次【本記事の内容】
国内には、株式会社かんぽ生命保険や住友生命保険相互会社、第一生命保険株式会社など42社の生命保険会社があります。
これら全ての生命保険会社は、「一般社団法人 生命保険協会」に加入しています。生命保険協会調べにより、全生命保険会社が2021年9月に支払った保険金などは、約181億円にのぼることがわかりました。
支払い内訳は「死亡保険金」と「入院給付金」とに分かれます。
死亡保険金:1268件/約73億円
入院給付金:10万1311件/約108億円
また、9月の支払件数は10万2579件と過去最多で、2021年6月の約5.4万件のおよそ2倍です。
ただし、「死亡保険金」に関しては支払金額・件数ともに6月を下回っています。4月から5月ごろは、死亡リスクが高い高齢者や基礎疾患を持つ人であっても、ワクチン未接種だったケースも多数あり、6月の死亡保険金の金額・件数が増加したとみられます。
2021年9月の支払件数が6月の2倍にもなったのは、夏のコロナ感染者数が急増したことが大きな要因と思われます。
生命保険会社の多くは、死亡保険金や入院給付金だけでなく、特別措置として自宅またはホテル療養者にも入院給付金を支払っています。厚生労働省発表の「入院治療等を要する者等推移」をみると、いわゆる第4波のピークにあたる5月15日に7万3,424人だったものが、第5波まっただ中の8月29日には23万1,596人と約3倍に増加しました。
さらに、医療崩壊により無症状・軽症者のみならず、症状が悪化し始めている感染者ですら自宅療養を余儀なくされているといった報道も散見されます。第5波では自宅療養者が増加したことが強く影響し、結果としてトータルの支払件数が増えたと推測されます。
■保険会社の収支バランスは大丈夫なのか?
生命保険協会によると、全生命保険会社が2020年3月から2021年までに支払った累積保険金額は、約1,230億円(約41.7万件)でした。加入者からすれば、「これほどの保険金を支払って大丈夫なのか、まさか契約先保険会社が倒産しないだろうか」という素朴な疑問が湧き上がります。
保険金等支払金の支出に比例して保険料等収入が増えていれば、収支のバランスは取れていると推測してよいでしょう。
企業の業績が本当に伸びているのかの指標となる、経常利益の伸び率も重要な指標です。経常利益が黒字であれば、継続的に安定した利益が出ていることが伺えます。
2021年8月、各保険会社から2021年度第1四半期(2021年4月1日~2021年6月30日)の業績が報告されました。
参考例として、「第一生命」と「かんぽ生命」の2019年度、2020年度、2021年度同時期の保険料と保険金収支、および経常利益の前年比を記載します。
コロナ禍以前の2019年度も併記したので、比較してみるとよいでしょう。
(単位:百万円)
|
会社名 |
科目 |
2019年度 第1四半期累計金額 |
2020年度 第1四半期累計金額 |
2021年度 第1四半期累計金額 |
|
第一生命保険株式会社 |
保険料等収入 |
581,974 |
543,725 |
541,574 |
|
保険金等支払金 |
549,327 |
465,875 |
535,120 |
|
|
経常利益 |
105,994 |
48,738 |
146,120 |
|
|
前年比 |
- |
45.98% |
299.8% |
|
|
株式会社かんぽ生命保険 |
保険料等収入 |
935,876 |
712,835 |
644,021 |
|
保険金等支払金 |
1,576,681 |
1,461,956 |
1,437,805 |
|
|
経常利益 |
55,880 |
69,590 |
91,667 |
|
|
前年比 |
- |
124.53% |
131.72% |
※出典元データを参考に作成
出典元:第一生命保険株式会社
株式会社かんぽ生命保険 2020年度第1四半期決算のお知らせ
第一生命保険株式会社は、日本でのコロナ禍元年ともいえる2020年の経常利益がは、前年を大幅に割り込んだものの、2021年には約300%と一気に回復しています。
株式会社かんぽ生命保険の保険料等収入・保険金等支払金は2019年度から緩やかに減少していますが、経常利益は右肩上がりでした。
両社ともに右肩上がりの理由は、コロナ禍であっても保有契約の減少率が低かったことや、資産運用面での利益増大にあります。
また、両社の2021年度第1四半期の経常費用において、前年度からさらに減少していることも、結果として利益増大につながりました。
緊急事態宣言下では、新規顧客獲得に向けた営業をストップする生命保険会社もみられましたが、各社の2021年度第1四半期の決算報告を見る限り、どの会社も一気に営業を開始して、業績回復に力を入れているようです。
なお、ご自身が加入している生命保険会社の業績報告は、生命保険協会のHPから見ることができます。
新型コロナウイルス感染症による世界的パンデミックが始まった2020年から、すでに丸2年が経とうとしています。厚生労働省では現在、結核やSARSなどと同類の2類感染症相当に指定しており、無症状者や軽症者にも医学的隔離(入院措置)が定められています。
しかしながら、自宅待機者が多いことによる死亡者の発生、インフルエンザとコロナを臨床的に鑑別するのは困難であること、5類への格下げの検討など課題は未だに山積しています。
新政権には、生命保険会社を含めた各企業の平常業務による経済の活性化、国民の生命と財産を守るための大胆な政策が期待されます。

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、最新情報や具体的対応は公式情報や専門家にご確認ください。詳細はご利用規約をご覧ください。
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