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経済産業省は、「平成30年版通商白書」をとりまとめ、7月10日に閣議報告を行い、公表しました。
今年度の通商白書のポイントは、「グローバル経済は、WTOに基づく自由貿易体制に対する挑戦、デジタル貿易の拡大を含むデジタル変革の進展、中国等の新興・途上国の台頭といった大きな転換点に直面している」ということです。
デジタル貿易の拡大と中国など新興・途上国の台頭
平成29年の通商白書では、1つ目の転換点に焦点をあて、先進国における国内格差問題の現状や、貿易と格差の関係を分析しましたが、平成30年の通商白書では、残りの2つの転換点に焦点をあてています。
世界で拡大を続けるデジタル貿易の現状を紹介するとともに、デジタル貿易が抱える課題について明らかにし、新興・途上国の経済成長の特徴と、それに伴う問題についても分析しています。
さらに、新興・途上国の中でも、とくに躍進が著しい中国経済について、拡大を続ける消費市場における、日本企業のビジネスチャンスについても触れています。
拡大を続けるデジタル貿易
拡大を続けるデジタル貿易を、2014年と2020年の見通しで比較すると、世界の越境EC市場規模では、2014年に2,360億ドルだったものが、2020年には9,940億ドルと約4倍、また、越境EC利用者数に関しては、2014年時点では約3億人程度が、2020年には約3倍の9億人を超える見通しとなっています。
2016年の世界のB2C EC市場規模は、前年対比122%の約2.4兆ドルで、地域別では、中国が世界全体の4割を占める最大のEC市場国となっています。中国の成長率は、2位のアメリカと比べても高く、今後も世界のEC市場を牽引するとみられ、EC化率(19%)においても世界をリードしています。
デジタル貿易の拡大を示しているのが、世界時価総額ランキングに名を連ねている企業です。アップル、グーグル、アマゾン、フェイスブック、テンセント、アリババなどの世界的IT企業が、6社もトップ10にランクインしていることでも、それが明らかです。
保護主義的な動きなどのデジタル貿易の課題
情報の自由な流通の促進は、新たな技術革新やビジネスモデルを生み出し、人々の生活の質を向上させるといった好循環を生み出しています。
しかし一方で、越境データの自由な流通やサーバーの設置場所に対して制限を課すといった、デジタル保護主義的な動きも出てきています。
データの自由な越境流通を阻害するデータローカライゼーション規制、セキュリティ強制規格採用要求、ソースコード開示要求等、データ保護主義的な動きが増加していることなど、ITプラットフォーマーを巡る既存の業種との公正な競争環境の確保や、消費者保護・安全確保の扱いが、これからの課題といえます。
中国で拡大が期待される市場と日本企業のビジネスチャンス
中国の一人当たり消費支出の推移を見てみると、2013年から2017年の4年間の間に13,000元から18,000元と4割増となっています。衣食住のシェアはほぼ横ばい、または低下傾向にある一方で、交通・通信、教育・文化・娯楽、健康・医療のシェアが上昇しています。
また、中国では環境問題への対応が大きな課題となっています。環境問題への本格的な取り組みに伴い、高度な環境技術を有する日本企業にとっては、大きなビジネスチャンスといえるでしょう。
また、中国の日系現地法人は製造業の割合が高く、売上高も約30兆円となっているため、旺盛な中国内外の需要を捉えることで、さらに売上・利益共に伸ばすことも可能です。
一方で、中間層・乳幼児・シルバー市場等成長する中国消費市場で、さらなる成長が見込まれる個人消費サービスでは、欧米企業は既に中国に進出してこの分野で売上を伸ばしているのに対して、日本企業は進出が遅れている可能性があります。
中国での日本企業の更なるビジネス展開や、第三国での日中企業協力により、成長を続ける中国の活力を、日本の活力につなげていくことが大切なようです。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、最新情報や具体的対応は公式情報や専門家にご確認ください。詳細はご利用規約をご覧ください。
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