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あまり一般的には知られていませんが、12月10日は人権デー、12月4日から10日は人権週間とされています。
人権というと、今では当然守られるべき権利として社会から認められていますが、これほど国際的に認められるようになったのは20世紀に起こった世界規模の戦争経験からの反省があったからでした。
人権問題はいまだ未解決の分野も数多く、また今の常識が数年後には時代遅れとされるほどに日進月歩の領域です。
人権感覚が身についていないと、社会人としてだけではなくビジネスパーソンとしても資質を疑われかねません。
今回は、戦後の人権問題の基礎となっている世界人権宣言について解説します。
世界人権宣言は、二度にわたる世界大戦、特に第二次世界大戦における大量虐殺やひどい人権侵害、人種差別などの残虐行為が横行した反省から、戦後国際社会において二度と繰り返さないための誓いとしてつくられました。
1946年に第1回国連総会で国連憲章を補完するかたちで審議された文書案は、人権委員会のメンバー8名を中心に策定され、1948年12月10日の第3回総会で「世界人権宣言」として採択されました。
当時はまだ世界が共産主義と資本主義の東西陣営に分かれていた時代であったにもかかわらず、人権宣言に反対票を投じた国はありませんでした。審議開始から2年足らずで完成したこの条文は、政治、経済、文化の枠を超えた普遍性に基づいていて、現在にも続く人権思想の土台となっています。
世界人権宣言は前文と30の条文から構成されています。
●前文の内容
前文の内容を要約すると次のような内容になります。
「世界人権宣言 前文
人間の尊厳と平等を譲ることのできない権利として認めることは、世界の自由、正義、平和の基礎である。しかしながら、人類の歴史において、人権の無視や軽視が世界に数知れない恐怖や野蛮な行為を招いてきた。このようなことが今後起きないようにするためには法の支配による人権保護が必要であり、国際社会が協力し合わなければならない。国際連合の加盟国は、人権と基本的自由を尊重し、遵守することを誓った。加盟国は自国においても人民の人権が尊重されるように努力すべく、その共通の基準とするために、この世界人権宣言を公布する。」
(外務省ホームページより世界人権宣言(仮訳文)前文を筆者が要約)[1]
●条文全体の内容
全30条から成る世界人権宣言の本文は次のような構成となっています。[2]
・基本原則(第1条、第2条)
・市民的、政治的権利に関する権利(第3条から第21条)
・経済的、社会的及び文化的権利に関する権利(第22条から第27条)
・人権保障一般に関するもの(第28条から第30条)
▲基本原則(第1条、第2条)
第1条、第2条では「すべての人間は、生まれながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である」とし、平等かつ無差別の基本原則を宣言しています。
▲市民的、政治的権利に関する権利(第3条から第21条)
第3条から第21条では、すべての人間が当然に与えられる市民的・政治的権利について述べられています。具体的には次のような権利について触れられています。
・生命、身体及び司法手続きに関する保障
・自由権的権利に関するもの
・プライバシーの保護及び婚姻の自由に関するもの
・他国へ避難する権利及び国籍をもつ権利に関するもの
・政治的権利に関するもの
▲経済的、社会的及び文化的権利に関する権利(第22条から第27条)
第22条から第27条において、人間は社会保障を受ける権利を有し、自己の尊厳と自己の人格の自由な発展に欠くことのできない経済的、社会的及び文化的権利を実現する権利を 有するという、宣言が述べられています。
具体的には次のような内容です。
・労働基本権に関するもの
・社会保障、母性及び児童の保護等に関するもの
・教育及び文化に関するもの
▲人権保障一般に関するもの(第28条から第30条)
第28条から第30条では、これら人権宣言は人間が国際社会において自由を実現するために認められるべきものであり、そのために個人が負うべき義務、自由の認められる範囲、過大解釈の禁止など、人権宣言のあるべき姿について述べられています。
世界人権宣言は基本的人権の尊重を国際社会で承認するものですが、法的拘束力を伴うものではありません。
そこで、世界人権宣言ののち、法的拘束力をもたせようと、社会権規約(A規約)と自由権規約(B規約)が採択され、その後もさまざまな国際的な条約が採択されています。
世界人権宣言を基に策定された規約・条約には、主に次のようなものがあります。[3]
・難民条約(1951年)
・人種差別撤廃条約(1965年)
・国際人権規約(1966年)
・社会権規約(A規約)(1966年)
・自由権規約(B規約)(1966年)
・女子差別撤廃条約(1979年)
・拷問等禁止条約(1984年)
・児童の権利条約(1989年)
・強制失踪条約(2006年)
・障害者権利条約(2006年)
1950年の第5回国連総会において、世界人権宣言が採択された12月10日は「人権デー(Human Rights Day)」として定められ、国連加盟各国が人権保護を訴える啓発活動を実施する日とされています。
日本においては、人権デーである12月10日を最終日とする1週間(12月4日~10日)を人権週間と定め、全国の自治体や人権保護団体などを中心に人権尊重を国民に呼びかけるキャンペーンなどが行われています 。
戦後生まれの人々には当たり前のことのように思われている人権思想ですが、第2次世界大戦以前では現在ほど普遍性をもつ権利としては認識されていませんでした。
戦争という悲惨な出来事を経験した当時の人々が、政治、経済、文化、宗教の枠を超えて人間の権利を認め合ったことは歴史的な一大事だったのです。
有色人種や女性、子どもなど、いまだ解決されていない人権問題は数知れず、今現在も人権保護のために声を上げ続けている人々があり、日々人権に対する考え方や常識は更新されています。
コンプライアンスとも深く関わる人権意識は、ビジネスパーソンとして最低限のマナーでもあります。
ぜひ12月の人権週間・人権デーに人権問題についておさらいしてみてください。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、最新情報や具体的対応は公式情報や専門家にご確認ください。詳細はご利用規約をご覧ください。
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