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プレゼンティズムという言葉をご存じでしょうか。近年、従業員パフォーマンスを考える上で重視されるようになり、各企業の業績にも大きな影響を与えているといわれています。
今回は、そもそもプレゼンティズムとは何か、なぜ注目されるようになっているのか、について詳しく解説しましょう。
プレゼンティズムとは、企業に出勤してはいるものの、心身の健康面における問題によって、十分なパフォーマンスを示せない状態のことです。
春先の時期だと、典型例として花粉症を挙げることができるでしょう。花粉症になった人は、なっていない状態のときよりも仕事の生産性がどうしても低下します。
もし花粉症になった人が企業にとって中核的な人材であった場合、あるいは花粉症になる従業員が多い企業だと、企業全体の業績悪化につながってしまいます。
かつて、企業の業績に悪化を与える従業員の健康問題というと、健康上の理由で欠席が多い状態を指す「アブセンティズム」が一般的でした。病気がちで休んでばかりいるために、健康な人に比べて生産性が低く、企業の業績悪化の遠因になると考えられていたわけです。
しかし近年では、アブセンティズムだけでなく、体調が悪くても無理に出社してくるプレゼンティズムが企業に与える悪影響にも注目が集まるようになったのです。
政府は現在、働き方改革を促進する一方で、「健康経営」という企業経営のあり方の普及活動を行っています。健康経営とは、従業員の健康管理を経営的な視点から把握し、戦略的に取り組むことです。
従業員への健康投資(従業員の健康を増進するための投資)を行うことは、各従業員の生産性向上と組織の活性化をもたらして、結果として企業の業績向上、ひいては株価の上昇にもつながります。政府としては、国全体の経済力を底上げすることを視野に入れて、健康投資を積極的に行う健康経営の普及・促進を図っているわけです。
健康経営による企業業績の向上を実現するためには、健康投資を行う一方で、従業員の健康問題によって企業が被るコスト=「健康関連コスト」をできるだけ小さくする必要があります。
厚生労働省の『データヘルス・健康経営を推進するためのコラボヘルスガイドライン』では、アメリカの金融関連企業を対象に行われた研究事例が紹介されています。
それによると、従業員の健康関連コストの全体像をみた場合、従業員の「長期の障害」や「短期の障害」、あるいは「アブセンティズム」によって生じるコストはわずかでしかありません。実は健康関連コスト全体の約4分の3を占めているのは、「プレゼンティズム」によって生じるコストという結果が出ています。
つまり企業側にとっては、従業員が病気などを理由に休んでしまう場合よりも、体調が悪いのに無理に出社して不完全な仕事をされる方が、はるかに被るコスト=被害は大きいのです。
企業の健康関連コストの大半を占めるプレゼンティズムですが、もし従業員の健康を改善し、健康な状態で出社できるようになれば、企業が受けるメリットは大きいといえます。
プレゼンティズムが解消され、従業員が健康な状態で業務に就くようになれば、仕事に対する集中力が向上し、各部署の労働生産性の向上が期待できるでしょう。
そうなれば、企業全体の業績もアップし、「健康経営を実現できている」ということで、企業イメージも上昇します。業績の良い企業は、従業員の健康を維持・向上させるための健康投資をさらに充実できるでしょう。「プレゼンティズムの解消による健康経営の実現」→「従業員の生産性が向上し、企業の業績改善」→「より質の高い健康経営が実現できる」というプラスの循環が期待できるわけです。
従業員の健康問題が発生する原因としては、食生活の悪化や運動不足など、生活習慣の乱れを挙げることができます。特に、従業員自身の健康に対する意識が低い場合、体調が悪くても病院で診てもらわず、無理をして働こうとする価値観を持っていることも多いです。
そのため、企業がプレゼンティズムを解消するためにできることの一つが、生活習慣の改善を促す啓発活動です。地道に活動していけば、意識改革につながるかもしれません。
そして当然ですが、企業側が無理な残業を強いる、本人が希望しない勤務時間帯で働かせるなど、ストレスを蓄積させるような業務命令を行わないことも重要です。
企業における従業員の健康管理というと、かつては健康診断がメインでした。しかし現在では、従業員の健康管理を経営戦略の一環としてとらえ、業績アップの引き金の一つとしてとらえる「健康経営」の考え方が広まりつつあります。そこで重要になるのが、企業の健康関連コストの大部分を占めているプレゼンティズムの解消です。
従業員のプレゼンティズムを解消していくには、企業側による健康増進に向けた啓発活動と、無理な働き方をさせないよう心がけることが重要といえます。また、体調が悪い場合は、我慢して出社せずに自宅で体を休めようとする価値観・文化を組織内で醸成することも大事なのかもしれません。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、最新情報や具体的対応は公式情報や専門家にご確認ください。詳細はご利用規約をご覧ください。
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