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全国で消費者金融を利用している人の数は約1075万人と言われています。自社の社員が私生活で借金を重ねている可能性はあり得るわけですが、会社と関係のないところでの借金であれば、企業秩序を乱すことにはなりません。原則として、「トラブルを起こさない限りは個人の問題」であり、会社としては立ち入ることができないのです。
しかし、借金の取り立ての電話が勤務先までかかってきたとしたら、企業秩序の乱れにもつながります。このような際に、会社としてはどのような対応を取ったらよいのでしょうか。
勤務先への電話は違法
貸金業法、金融庁事務ガイドラインによって取立行為は厳しく規制されています。また、悪質な取り立てなどが深刻な社会問題となったため、「ヤミ金融対策法」も制定され、違法な取立行為の規制などが強化されました。貸金業法第21条では、「私生活若しくは業務の平穏を害するような言動」が禁止されており、具体例として第3項で、正当な理由なく債務者の勤務先に電話をかけることが禁じられています。また、勤務先に取り立ての電話をかけることで業務を妨害した場合には、業務妨害罪(刑法第232条)となります。
前記にある「正当な理由なく」ということは、正当な理由があれば問題がないという解釈にもなります。例えば、どうしても債務者と連絡がつかない場合には、貸金業者としても勤務先へ連絡せざるを得なくなってしまうのです。
貸金業者への対応策
違法な取り立ては許されるべきではなく、会社としてはまずは毅然とした態度で対応しなければなりません。社員の私生活上の行動は原則として懲戒処分の対象にはなりませんし、そもそも勤務先への取立行為は違法であり、社員に非はないからです。
取り立ての電話によって業務に支障が出る場合には、電話を録音し、録音していることを相手に伝えます。また、違法行為である取り立ての電話をやめるよう求めます。さらに、監督官庁への苦情の申し立てや、弁護士に相談した上で、「架電禁止の仮処分」など法的措置に訴える選択肢もあります。取立行為によって業務上の損失が発生した場合には、業務妨害罪などで告訴することも可能です。
問題社員への対応策
頻繁に起こる違法な取立行為への対応は、会社にとって多大な損失となりますが、前述のように懲戒処分の対象にはなりません。しかし、本人も取り立てにより会社に迷惑をかけていると認識し、解決しようと考えているはずです。会社としては、問題の社員に対して、弁護士に依頼し債務整理手続きをとるように勧めるなど、根本的な解決を促しましょう。
また、配置転換が可能な会社であれば、問題を抱える社員が経理などのお金を扱う部署に所属している場合、業務上の必要性があるとして配置転換をすべきですし、強要にならない程度の退職勧奨をすることも可能です。会社に体力があれば、賃金を支払った上で、2〜3カ月間勤務を免除し、その期間に問題を解決するよう促すのも一つの方法でしょう。
借金のせいで明らかに業務に支障が出ている場合は、企業秩序維持の観点から懲戒処分とすることができます。「十分な労務提供ができない」という事由で解雇が妥当となることもあるでしょう。処分後のトラブル防止のためにも、あらかじめ就業規則の懲戒事由、解雇事由を具体的に列挙しておくことも必要となります。
予防策としての社員教育
このようなことを未然に防ぐためにも、会社として社員教育や情報提供が必要となってきます。例えば、新入社員研修や労働組合の学習会などで、金銭教育の場を設けるのも方法の一つです。講師は、金融広報アドバイザーや消費生活相談員など公的な機関に依頼すれば無料で経費もかかりません。
学習する機会を与え、問題を抱えた場合の相談窓口を紹介するだけでも社員の今後のライフプランに役立つでしょう。このような取り組みによりマイナス要因が取り除かれるだけでなく、社員の会社へのアイデンティティが高まり、会社の発展にもつながるでしょう。
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