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斜陽業種の代表格だった銭湯に、若者の利用が広がっているというニュースを目にすることが多くなりました。銭湯好きを公言する人気タレントや、ファッションブランドとコラボ、アート系のイベントが開催されるなど、銭湯人気は本物なのでしょうか。
銭湯が若者の利用によって、本当に復活の兆しを見せているなら、その要因を探ることで、ほかの斜陽業種の復活に通ずるヒントもあるはずです。
そこで、株式会社マーケティング・リサーチ・サービスは、銭湯の利用に関する意識・実態を年齢層別に見ることによって、銭湯に何を求めているのかを明らかにし、銭湯業界やほかの廃れ行く産業の復活に必要な、普遍的な要素を抽出するため、銭湯ユーザーの調査を実施しました。
調査対象は、20歳から49歳の1都3県在住者の男女です。2か月に1回以上の継続利用者を「銭湯ユーザー」と定義し、年齢による傾向を比較するため20〜34歳を「若年層」、35〜49歳を「中年層」として設定して調査を実施しました。
では、「銭湯のイメージ・印象」については、若年層は「癒やされる」「知らない魅力がある」「新しいことに取り組んでいる」がTOP3で、中年層は「癒やされる」「疲れがとれる」「気軽に行ける」となっています。
中年層は、癒やしや疲労回復など、銭湯の機能面に重きを置き、若年層は「新しいことに取り組んでいる」「知らない魅力がある」と、銭湯を捉えているようです。
また、銭湯の利用シーンでも若年層は、「気分を変えたいとき」「長時間お風呂で過ごしたいとき」「体を休めたいとき」で、中年層は、「気分を変えたいとき」「広いお風呂に入りたいとき」「体を休めたいとき」となっています。
一見同じように見えますが、若年層では「長時間お風呂で過ごしたいとき」の割合が高く、「銭湯に行く」行為に意味を感じているようです。一方、中年層は入浴して得られる効用を重視していることがわかります。
この調査から、若年層は複数の銭湯を使い分けていることも浮かび上がりました。その理由は「湯の効能が違うから」「設備が違うから」「日ごとの気分で変えているから」ですが、メディアや口コミで紹介された銭湯を利用するなど、SNSでの話題作りを重視して銭湯を利用している様子がうかがえます。
調査結果から、株式会社マーケティング・リサーチ・サービスでは、「若年層は中年層と比較して、人と違う、センス良くありたいという意識が強く、好奇心が強い特徴が見られました。銭湯は流行のものとして捉えられており、その流行を自ら発信して盛り上げてゆきたいといった意識から、若年層の銭湯ファンが増えていっているのではないか」と考察しています。
つまり、いま若年層に広がりつつある銭湯ブームは、流行に飛びつく “一過性” のブームともいえそうです。
銭湯といえば、高い煙突に、浴場の壁にタイルに描かれた富士山の絵。戦後のピーク時には2,600軒以上あった東京の銭湯ですが、その後、右肩下がりで減り続け、現在ではその4分の1の500軒あまりにまで激減しています。
その大きな要因は、利用者減による経営の悪化、さらに後を受け継ぐ担い手不足があります。しかし、銭湯には、家庭のお風呂では味わえない、手足を伸ばしてゆったりと入浴することができるため、リラックス効果も大いに期待することができます。
銭湯は、日本の伝統文化であり、地域のコミュニティとしての役割も果たしてきました。その銭湯に、理由はともあれ若者が視線を注ぎ始めていることは、復活のチャンスでもあるといえるのではないでしょうか。
「栄枯盛衰は世の習い」といわれますが、内風呂が珍しかった時代には、銭湯は地域の社交場でもありました。しかし、いまや内風呂が当たり前の時代、銭湯の利用者も激減し銭湯の数も、1965年には全国に約2万2,000軒でしたが、2016年には3,900軒までに減少し、いまや週に1軒が廃業する時代です。
一過性とはいえ、若者が銭湯に視線を注いでいるのなら、時代に即した銭湯の価値を提示していくことも必要です。それは銭湯に限らず、廃れつつある業種や商品、サービスにもいえることですから、コロナ自粛となったいま、改めて自社の商品やサービスを見直してみてはいかがでしょうか。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、最新情報や具体的対応は公式情報や専門家にご確認ください。詳細はご利用規約をご覧ください。
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