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経済産業省は、中小企業のM&Aをさらに促進していくため、平成27年3月に策定した「事業引継ぎガイドライン」を、昨年12月20日に策定・公表した「第三者承継支援総合パッケージ」に基づき、全面改訂して「中小M&Aガイドライン」を策定しました。
後継者不在の中小企業にとっては、M&Aを通じた第三者への事業の引継ぎは、事業承継の重要な手法の一つとされています。
しかし、中小企業経営者の中には①M&Aに関する知見がなく進め方がわからない、②M&A業務の手数料等の目安が見極めにくい、③M&A支援に対する不信感など、情報も理解も不足していることから、長年経営してきた自社を第三者に「売る」ことを躊躇する経営者も少なくありません。
また、中小企業のM&Aが円滑に進められていくためには、仲介業者や金融機関などのM&Aを支援する機関が適切に支援を実施する体制を整えていくことが重要となります。
こうした現状を踏まえ、M&Aを通じて第三者へと事業がスムーズに引き継がれていくための方向性を示したのが「中小M&Aガイドライン」です。
「中小M&Aガイドライン」では、中小企業がM&Aを躊躇する要因を踏まえ、M&Aの基本的な事項や手数料の目安を示すとともに、M&A業者等に対しても、適切なM&Aのための行動指針を提示しています。
たとえば、M&Aが中小企業にとってより身近なものと受け止めることができるように、約20の中小M&A事例を示し、中小M&Aのプロセスごとに確認すべき事項や、適切な契約書のひな形を提示しています。
仲介手数料については、着手金や月額報酬、中間金、成功報酬の考え方や、具体的事例を提示することによって、M&Aの妥当な手数料額や手数料の概念を知ることができるようになっています。
また、仲介業者や金融機関などのM&Aを支援する機関向けの基本事項は、事業者の利益の最大化と支援機関同士の連携の重要性を示しています。
①売り手と買い手双方の1者による仲介は「利益相反」となり得る旨明記し、不利益情報(両者から手数料を徴収している等)の開示の徹底等、そのリスクを最小化する措置を講じる
②他のM&A支援機関へのセカンドオピニオンを求めることを許容する契約とする
③契約期間終了後も手数料を取得する契約(テール条項)を限定的な運用とするといった行動指針を策定
M&A支援機関となる金融機関や士業等専門家、商工団体、プラットフォーマーに対し、求められる具体的な支援内容や留意点を提示していますが、さらに、わかりやすいハンドブックを作成し、セミナーなどを通じた普及・広報を進めていくそうですから、M&Aを検討する場合は、ぜひ参考にするとよいでしょう。
とくに参考になるのが、M&Aの事例の中にある「M&Aに際して苦労した中小企業経営者の声」です。
たとえば、「後継者不在に危機感を持ち、取引銀行にM&Aについて相談したが、交渉完了直前に、銀行から想定を上回る手数料を請求された」という声が寄せられています。
また、「父から継いだ事業を存続させるため、M&A専門業者へ相談。業者から示された企業価値は、明らかに低く、自社の正当な価値がわからないまま、プロセスが進んでしまった」「顧問税理士と会計士の支援の元で同業他社をM&Aにより取得したが、後で設備の買い換えが必要なことが発覚し、思わぬ負担となった」などです。
こういった不安が、M&Aを躊躇する要因となっているようですが、後継者が不在の企業にとっては、第三者に事業の継続を託すことも選択肢の一つです。日本の産業を支えている中小企業の技術を、後世に伝えていくためにも、中小企業の利益の最大化を図るためのM&Aの進め方を押さえておきましょう。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、最新情報や具体的対応は公式情報や専門家にご確認ください。詳細はご利用規約をご覧ください。
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