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民間調査機関の労務行政研究所が、労働側、経営側、労働経済分野専門家三者に実施している「賃上げ等に関するアンケート調査」によると、2020年の東証1部・2部上場クラスの賃上げ見通しは、定期昇給込みで平均6,495円(2.05%)になるという。
厚生労働省調査による、主要企業の昨年賃上げ実績の6,790円(2.18%)を下回るものの、賃上げ率は2014年以降、7年連続で2%台に乗るとの予測だ。
労使別に見た平均値は、労働側6,639円(2.10%)、経営側6,440円(2.03%)で、定期昇給についても、労使とも「実施すべき」「実施する予定」が8割台と、労使一致した見通しを立てているようだ。
ところが、ベースアップとなると、労使の思惑は大きく食い違っている。労働側の「実施すべき」68.6%に対して、経営側の「実施する予定」は16.9%、「実施しない予定」が49.2%と半数近くがベースアップの予定すらない、という状況だ。
自動車大手の労働組合が2月12日に春闘の要求書を経営側に提出し、2020年の労使交渉がスタートしたが、トヨタ自動車とマツダ、スバルの労組は、ベースアップの具体的な額は示していない。
自動車総連は、2019年春闘からベースアップの統一要求を見送っているが、三菱UFJ銀行労組も、人事評価による賃上げ率の違いを容認する方針で、全従業員の賃金水準を引き上げるベースアップよりも、成果主義による賃上げの流れが強くなりつつあるようだ。
どうやら、第四次産業革命のうねりは、労働組合の存在意義や春闘の手法も変えようとしているようだ。成果を上げた社員の賃上げ率を高く設定することは、一見、合理的で正当な評価のようにも思える。
しかし、評価基準を明確にするなど変更内容に納得感がないと、本当に従業員の士気の向上につながるのか懸念はある。また、全従業員の賃金水準アップにはつながらず、格差がますます拡大するという懸念も囁かれている。さて、2020年の春闘は、どのような決着を見せるのか。労組との交渉窓口となる管理部門の担当者は、業界や同業他社の春闘の動向を見極めることも必要になりそうだ。
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