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大企業の収益は、依然好調のようですが、一向に進まないのが経済の好循環です。その理由は、収益に見合った賃金が、従業員に還元されていないからではないか、という意見もあるようです。
財務省は、各財務局管内で企業へのヒアリングを行い、2019年の春闘結果を踏まえた、賃金の引上げ等の動向についての調査結果を公表しました。
調査結果によると、2019年度に「賃金引上げ」を行う企業の割合は96%程度で、「ベースアップ(ベア)」を行う企業の割合は48%程度になるなど、数字的には賃金引上げの流れが続いているようです。
業種別でみると、「賃金引上げを行う企業の割合」は、製造業が96%程度と高く、増加幅では、非製造業が95.2%と、2018年度の92.7%より2.5ポイント上昇しています。
また、企業規模別では、「賃金引上げを行う企業の割合」では大企業が97%と高く、増加幅では、中小企業が92.0%と、2018年度の88.8%より3.2ポイント上昇するという結果でした。
では、賃金引き上げ率はどうでしょうか。賃金引上げを実施する企業の、2018年度と2019年度の引上げ率の比較では、年収ベースで賃金引上げを実施する企業のうちの78%程度、ベアを実施する企業のうちの66%程度が、「2018年度を上回る」または「同程度」と回答しています。
一方、2018年度より、「引き上げ率は下回る」と回答した中でも、年収ベースで2.0%以上が31%、ベア0.5%以上が30%程度の企業が、賃金引上げを実施していることも明らかになりました。
賃金引き上げの理由ですが、最も多かったのは「社員のモチベーションの向上、待遇改善」(89%程度)です。そして、続くのが「人材の確保」(54%程度)、「業績(収益)好調」(27%程度)でした。
史上空前といわれた昨年の企業収益と比較すると、「業績(収益)好調」と回答する企業の割合は低下しているものの、深刻な人手不足を反映して、「人材の確保」や「社員のモチベーション向上、待遇改善」のために、賃金を引上げている企業が増えているようです。
一方、定期昇給含め、2019年度に賃金引上げを実施しない企業は、全体の4%程度ですが、その理由は、「業績の低迷」(61%程度)、「先行きの不透明感」(29%程度)、「雇用維持を優先」(24%程度)となっています。
・「売上高が前年比減で推移しており、賃上げは難しい(四国・中堅・小売業)」
・「国内市場での衣料品の需要が減少し、先行きは非常に不透明(東北・中小・繊維)」
・「パートを募集しても、時給が地域の相場に見合っておらず集まらない。正社員の賃上げよりも、非正規雇用の時給アップへ回している(東北・大・小売業)」
・「大規模な設備投資(改築・建替え)を行ったため、昨年度の業績が厳しく、賃上げをする余裕がない(北海道・中小・宿泊業)」
など。
地方都市や業種によっては、賃金の引上げを「実施したくてもできない」という格差の実情が、色濃く映し出されているのではないでしょうか。
なお、この調査は、「企業における処遇改善・働き方改革の取組」についても行っています。
具体的な取り組みとしては、「時間外労働の上限規制、勤務間インターバル制度の導入」(47%程度)や「業務プロセスの見直し」(43%程度)など、長時間労働の是正につながる 取り組みを行っている企業が多くみられました。
また、「人材育成」(46%程度)や「福利厚生の充実」(44%程度)に取り組んでいる企業も増えているようです。
働く者にとって、処遇改善や福利厚生の充実は、労働意欲を掻き立てる欠かせない要素です。なかでも賃金の上昇は、モチベーションを高める最大のものといえるでしょう。一応、数字的には、昨年度よりも賃金は上向き傾向にあるようです。
ただ一方で、一般庶民はその実感がない、というのが偽らざる本音ではないでしょうか。企業が、離職率の低下や社員のモチベーションアップを図りたいのであれば、総務、経理、労務担当者は、賃金を含めた従業員の処遇を、総合的に見直すことが求められるのかもしれません。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、最新情報や具体的対応は公式情報や専門家にご確認ください。詳細はご利用規約をご覧ください。
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