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「税の種類と歴史」では、これまで所得税、法人税、住民税など税の種類と、それぞれの歴史を振り返ってきましたが、今回は「相続税」を取り上げます。まだ、相続とは無縁と思っているビジネスパーソンも多いでしょうが、基礎控除額や税率などが、平成27年以降改定されていますので、一度、チェックしておくといいでしょう。
目次【本記事の内容】
相続税とは、親などから受け継いだ遺産に対して課される税金です。受け継いだ遺産額によって税率が違うため、多額の遺産を受け継いだ場合には、受け継いだ遺産を処分しなければ相続税を払えないというケースもときどき話題になります。
そうした悲劇を避けるためにも、相続税の基本的なことを押さえておきましょう。まず、相続税には基礎控除が定められていて、遺産額が基礎控除以下の場合には、相続税は課税されません。
基礎控除額は法定相続人が1人の場合は3,600万円 (2人=4,200万円、3人=4,800万、4人=5,400万円、5人=6,000万円)です。
「そんなに現金はないから」といっても安心はできません。相続税の課税対象となるのは、預貯金などの現金だけではないからです。株式や投資信託、公社債などの金融財産、土地・建物などの不動産、さらにクルマや家具、ゴルフ会員権、リゾート会員権、宝石貴金属、絵画や骨とう品なども含まれます。
さらに、生命保険金や死亡退職金も、非課税限度額を超えた分が加算されますから、自分が想像していた以上に高額になるケースもあります。とはいえ、平成27年の相続税の課税件数の割合は8.0%ですから、相続税で悩む人は1割以下ということになります。
ところで、相続税は、いつできたものでしょうか。相続税の歴史を振り返ってみると、創設は明治38年です。その背景には、明治37年2月に開戦となった日露戦争の戦費調達という目的があったとされています。
この時代の家族の形態は家族制度で、親からの遺産は、家督相続者(通常は長男)1人が遺産を受け継ぐというものでした。そのため、遺産の総額に対して課税するという遺産方式を採用していたのです。
家族制度とは、武士階級の家父長制が原型の、明治31年に制定された民法によって規定されたものです。長男を戸主として、家の統率権限を与えており、そのために、家の跡継ぎとしての長男が大事にされてきたものでした。
しかし、この遺産税方式では、相続税を回避するために、生前贈与することも可能となります。いつの時代にも、法の抜け穴を上手に利用する人がいたようですが、それを防ぐために採用されたのが“一生累積課税”というものです。
“一生累積課税”という言葉の響きからすると、ずっと相続税を徴収されるような印象ですが、相続税は、生前・死後にかかわらず親などから無償で取得した遺産の価値に対して課税するという、遺産取得方式という考え方からのようです。
昭和22年の憲法改正で、家督相続が廃止となり、それまでは跡継ぎと呼ばれる家督相続人が通常は1人(原則は長男)でしたが、兄弟など数人への分割相続が広まり、昭和28年には、この一生累積課税が廃止され、生前贈与も含めた、遺産取得税方式に改正されています。
では、相続税を納める必要があるのは、どのようなケースなのかを見ていきましょう。原則として、遺産を承継した相続人、遺言書により遺産をもらった(承継した)人、生前(相続発生前3年以内)に贈与を受けていた相続人、相続放棄をしたが保険金を受け取った相続人が、相続税を納めなければなりません。ちなみに相続税の最高税率は55%で、半分強です。
もちろん、遺産総額が基礎控除額を上回り、相続税申告が必要な場合です。冒頭でも記したように、基礎控除額を下回る場合は、相続税の申告も納める必要もありません。
相続税の申告が必要となるかどうかは、「相続税の基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人数」で確かめることができます。
相続税の申告が必要なのに、もしも申告をしなかった場合には、通常の相続税納税に加えて、無申告加算税、延滞税、重加算税もあわせて支払わなければならなくなりますので、適正な処理をするようにしましょう。
※相続税に関する最新情報については、国税庁などの関連省庁にご確認ください
日本は世界一の長寿国ですから、親から遺産を受け継ぐのは、相当先のことかもしれません。しかし、何がいつ起こるかは、誰にも予想できません。その時になって慌てないため、あるいは、自分の子どもにいくばくかの財産を残す場合のためにも、基本的なことは押さえておきましょう。
相続税の申告が必要になる場合、必要のない場合、あるいは額についても、細かな決まりがあります。税の専門家である会計士や税理士に相談をして、節税対策を心がけておくこともビジネスパーソンにとっては必要な知恵ではないでしょうか。
関連記事:日本の法人税の歴史と変遷
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